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膣ヒアルロン酸注入とは?効果・リスク・失敗例まで婦人科形成技術指導医が解説
この記事の執筆医師
京都駅前美容外科 副院長
多田真知花
婦人科形成手術に精通し、大手美容外科では婦人科手術件数トップを誇る実績。
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膣ヒアルロン酸とは
膣ヒアルロン酸とは、膣内の膣壁にヒアルロン酸を注入する施術で、主に「膣のゆるみの改善」「性交時痛の軽減」「萎縮性膣炎の改善」などを目的に行われます。
ヒアルロン酸は以前よりシワやほうれい線治療などに使われてきた成分であり、体内に元々存在する物質であることから安全性が高いとされます。
婦人科形成分野でも近年注目されており、切らずに膣のボリュームを回復できる方法として人気が高まっています。
しかし、美容目的で広まる一方で「リスク」「合併症」「効果の限界」については十分に書かれていないこともあります。ここでは指導医の視点から、他の施術との違いも含めて詳しく解説します。
膣ヒアルロン酸と他の施術の違い
「膣のゆるみ改善」を目的とする施術には、レーザー治療(例:ウルトラフェミー)、PRP注入、脂肪注入、外科的な膣縮小手術などがあります。
施術法 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
膣ヒアルロン酸 | 注射だけでボリューム回復 | 施術時間が短く即効性あり | 数年で吸収される |
レーザー治療 | 膣粘膜のコラーゲン再生促進 | ダウンタイムが軽い | 効果実感までに複数回の照射が必要 |
PRP注入 | 自分の血液から成分を抽出 | 拒否反応が少ない | エビデンスが少ない |
脂肪注入 | 自分の脂肪を利用 | 半永久的な効果も期待 | 吸収されやすい |
膣縮小手術 | 外科的に膣を縫縮 | 効果が確実・長期的 | ダウンタイム・リスクが大きい |
膣ヒアルロン酸は「簡便さ・即効性」では優れていますが、数年で吸収されてしまうため、患者の希望に応じた適応を見極めることが重要です。
膣ヒアルロン酸の効果
- 膣のボリューム回復による「ゆるみ感」の改善
- 性交満足度の向上
- 外陰部のハリ・ふっくら感を取り戻すアンチエイジング効果
- 膣の乾燥・性交痛の軽減
ただし、効果の持続は1年程度で、体質によっては早期に吸収されてしまう場合もあります。
そのため「手軽に効果を実感したい方」には適していますが、長期的に維持したい場合は他の治療法との組み合わせをお勧めする場合もあります。
膣ヒアルロン酸のリスクと危険性
感染
無菌的に処置を行っても、膣内は常在菌が多く存在するため、感染症のリスクはゼロではありません。特に施術直後の不適切な性交渉や清潔管理不足はリスクを高めるので注意が必要です。
当院の工夫:
・全ての器具を滅菌し、体外からの細菌が入らない環境を整備。
・性交渉は術後2週間控えるようご案内。
血管塞栓・しこり
ヒアルロン酸が血管内に注入されると塞栓を起こす危険性があり、膣内や外陰部にしこり・違和感が残る場合もあります。
当院の工夫:
・針先の丸いカニューレを使用し、血管内注入のリスクを最小限に。
・万が一術後に違和感が生じた場合は、すぐにヒアルロン酸を溶かす処置が可能。
アレルギー・過敏反応
ごく稀に、ヒアルロン酸や添加物に対するアレルギー反応が生じることがあります。
当院の工夫:
・膣ヒアルロン酸として安全性の高いニューラミス製剤を使用。
・麻酔の入っていないヒアルロン酸製剤も準備し、過敏反応リスクを低減。
施術者の技量による差
膣は解剖学的にも複雑で、注入する層を誤ると効果が得られなかったり、不自然な膨らみになることがあります。
当院の工夫:
・膣ヒアルロン酸は経験豊富なまちか医師のみが担当。
膣ヒアルロン酸の失敗例
- 思ったより効果を感じられない
- 膣内の片側だけ膨らんで左右差が出た
- 浅い層に入り外から膨らみが見える
- 数か月で効果が消えた
- 性交時に痛みを感じるようになった
これらは元々の膣の状態や注入場所・量の調整、施術者の経験差によって起こります。
膣ヒアルロン酸が向いている人・向いていない人
向いている人
- 膣のゆるみを手軽に改善したい
- 手術は避けたい
- すぐに効果を実感したい
- 出産後の性生活に不満を感じている
- 外陰部のボリュームダウンが気になる
向いていない人
- 根本的に膣を引き締めたい(→膣縮小手術が適応)
- 効果を長期間維持したい
- 重度の膣弛緩や骨盤底筋の弱さがある
まとめ
膣ヒアルロン酸は、手軽で即効性がある一方で、感染や血管塞栓などのリスクも伴います。
京都駅前美容外科では、リスクを最小限に抑えた膣ヒアルロン酸注入を行いますのでご安心ください。
また、初めての方にはお試しプランもご用意しておりますので、お気軽にご相談ください。
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