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「小陰唇縮小術、気になっているけど失敗するのが怖い」「リスクってあるの?」
小陰唇縮小術後の腫れ・左右差・取りすぎなどのリスクや合併症を、婦人科形成専門の女医が原因から予防法まで詳しく解説します。
小陰唇縮小術はデリケートゾーンの見た目や日常生活における痛み、不快感を改善するために多くの女性が選ばれる手術です。
しかし、美容医療である以上、必ずリスクと合併症の可能性があります。ここでは、婦人科形成を専門に行う女医として、実際の臨床経験や事例を交えながら詳しく解説します。
小陰唇縮小術で起こりうる主なリスク・合併症
1. 術後の腫れ
手術直後は必ず腫れが生じます。
腫れは通常3〜7日がピークで、2週間程度で落ち着くことが多いです。
腫れが完全に落ち着くのは1〜3ヶ月程度かかります。
原因 | 切開による血管損傷、縫合部位への血流増加 |
予防策 | ・手術直後はしっかりと圧迫止血(ガードルなど) ・入浴や運動を控え、血流を過度に上げない ・抗炎症剤の内服 |
2. 左右差
小陰唇はもともと完全な左右対称ではないため、術後も多少の左右差は残ります。
ただし、大きな左右差が生じた場合には再手術による調整が必要になることもあるため、デザインが非常に大切です。
原因 | もともとの差、腫れの左右差、デザイン、縫合時の結ぶ強さの違い |
予防策 | ・左右差を考慮した術前デザイン ・術中にバランスを細かく確認しながら切除量を調整 ・縫合の緊張度を調整 |
3. 瘢痕・色素沈着
手術の傷跡は時間とともに目立たなくなることが多く、小陰唇はケロイドが生じにくい部位です。
ただし体質によっては色素沈着や瘢痕の残存、ケロイドが出る可能性があります。
原因 | 術後の下着による摩擦 |
予防策 | ・術後1〜3か月は創部の摩擦を減らす ・色素沈着が強い場合は美白外用薬(シスペラなど)を検討 ・経過をみながら必要に応じて修正 |
4. 感覚の変化(しびれ・鈍感さ)
術後数週間〜数か月の間、創部のしびれや感覚鈍麻を感じることがあります。
多くは体が回復すれば自然に改善しますが、まれに長期間に残るケースもあるので注意が必要です。
原因 | 皮膚切除時に末梢神経が一時的に損傷 |
予防策 | ・必要以上の小陰唇の切除を避ける ・神経走行の解剖を意識した切開デザイン |
5.「取りすぎ」による変形
小陰唇を切除しすぎた場合、膣口のつっぱりや外尿道口の露出感が生じ、排尿時の不快感や乾燥感につながります。
原因 | 不適切なデザイン |
予防策 | ・術前に「どこまで切除するか」を確認 ・膣口や尿道口を守るデザイン ・自然な形態を残す切除 |
6. 感染
まれに縫合部に細菌感染が起こることがあります。
膿が出たり、赤み・熱感を伴う場合は早期処置が必要です。
原因 | 創部の不衛生、免疫低下 |
予防策 | ・創部の清潔な洗浄 ・抗菌作用のある軟膏や内服 ・下着は清潔なものを使用 |
7. 縫合部の開き(創離開)
強い摩擦や圧迫、早期の激しい運動や性行為などで縫合糸が外れ、傷が開くことがあります。
原因 | 縫合糸が弱い、傷の治りが遅い |
予防策 | ・性行為は医師の許可が出るまで控える(目安は術後2〜4週間) ・自転車や乗馬など摩擦が強い運動を控える ・内部の縫合をしっかり行う |
術後合併症を減らすための工夫(医師目線)
・精密な術前カウンセリング
手術前に写真を見ながら仕上がりのイメージを共有することで取りすぎや左右差を防ぎます。
・適切な麻酔管理
不必要な腫れを防ぐために、局所麻酔量や注入量を工夫します。
・吸収糸の選択
摩擦が少なく、柔らかい、自然に溶ける吸収糸を使用し、異物感を軽減します。
・術後フォロー体制
定期的な診察で、感染や創部離開を早期発見します。
手術を受ける前に確認すべきポイント
① 婦人科形成の経験が豊富な医師
② 術後フォローがしっかりしている
③ 修正手術の対応可否
④ 症例写真の提示がある
⑤ 医師が診察を十分に行い、適切な説明がある
まとめ
小陰唇縮小術は、見た目や日常生活の快適さを改善できる有用な手術です。
しかし、適切な治療を行なった場合であっても、腫れ・左右差・色素沈着・感覚変化などのリスクはゼロにはできません。
大切なのは、経験豊富な医師のもとでの診断、適切なデザイン、術後管理を受けることです。
婦人科形成を専門に行う立場からも、
「術前の情報収集」と「信頼できる医師との十分な相談」が、
納得できる仕上がりと安全性につながります。
当院では、
・ダウンタイムを短く
・生まれつきのような自然な形
・きれいな傷跡
をモットーに丁寧な小陰唇縮小術を行います。
ぜひご来院をお待ちしています。